華やかな模様や柄がある着物も素敵ですが、色無地はその名の通り色合いをメインとした着物であり、目的に合わせてカラーを選ぶことができるので利用範囲も広く、しかも帯や小物などの使い方によって印象もがらりと変化するといった特徴もあります。ちなみに綸子や紋意匠などの地紋があるものも色無地に含まれるので、一見すると地味に思われがちですが、おしゃれの演出のバリエーションも豊富であり、それでいてかしこまった印象もある使い勝手の良い着物です。

そんな色無地の着物ですが、基本的に紋の数によって格式が決まっており、五つ紋付や三つ紋付のように数が多い方が格式が高く、とくに色留め袖に準じて着用することが一般的であり、五つ紋はとてもかしこまった式服となりますし、三つ紋は無紋の訪問着よりも格が上の準礼装になります。そして一つ紋については、同じ一つ紋の訪問着よりも略式になりますが、訪問着とはまた違った魅力や品格もあり、模様がないデザインであるために、紋がとても映えるというメリットもあります。それゆえに紋は染め抜きなどで家紋をデザインすることが多いですが、そういったものだけでなく友禅染めや刺繍などによる華やかな洒落紋をデザインしても素敵です。こういったことを踏まえた上で、コーディネートについても考えることが基本であり、五つ紋や三つ紋はフォーマルに着こなすため、長襦袢は礼装として白をメインとし、絽の場合は長襦袢も白の絽を選択しますが、白の絽は透けることもあるので注意しましょう。また半衿に関しては、白の塩瀬の半衿が一般的に多く用いられますが、色無地が縮緬地の場合には白い縮緬の半衿でも問題ありませんし、長襦袢同様に絽の場合は半衿も絽を用いましょう。さらに伊達衿を用いるときは、色留め袖に準じるなら白で、優しく装うなら淡い色の伊達衿をアクセントに用いることがお勧めです。あとは帯については袋帯で二重太鼓が一般的に多く見られる傾向にあり、すっきり落ち着いた雰囲気を演出することができますが、帯どめや帯締めなどをアクセントとして反対色で目立たせたり、同系色の淡い色彩で柔らかな雰囲気を演出することもできるので、そういった部分で遊びを取り入れても良いでしょう。

それから色無地の着物は人生の節目に着用される着物としてよく利用されていることでも有名で、たとえば花嫁の白無垢や葬儀の喪服などは、色そのものが意味を持つとして現在でもよく用いられていますし、子供の入学式や卒業式、七五三などでも一つ紋のものを着用することはよくあります。他にもお茶席やお客様を自宅にお迎えする際などでも華やかで上品でありながら、決して派手過ぎないデザインであるために大変重宝される着物です。もっともこのような特別なケースに着用するだけでなく、普段でも当然ながら普通に着用することも可能です。しかしながら普段でもやはりカラーは重要で、その時期やテーマに適したものを選ぶようにした方が無難です。まず慶事ならば、明るくて華やかなカラーのが相応しいですし、そうでない場合には、紫や藍、緑などの落ち着いたカラーの方が良いでしょう。また地紋についても意味があるので、慶事用には吉祥文様の地紋が良いですが、そうでない場合は流水や波、雲や有職文様などを用いることが一般的です。あとは季節に合わせて夏場は駒絽や絽縮緬を用いることで涼しげな印象になりますし、当然ですがカラーについても涼しげなものを選択すれば、より爽やかな雰囲気を演出することができます。逆に寒い季節はシックなカラーで落ち着いた雰囲気のが相応しいので、こういった事柄については、洋服や他の着物と同様に、しっかり季節感も考慮してそれに適したものを選ぶようにしましょう。